【有識者コラム】既卒だからこそ理想のキャリアビジョンを描こう!

フジワラ

既卒成功ナビでは、仕事・キャリア・働き方についての専門家の方に寄稿してもらう「有識者コラム」を連載しています!今回は外国人材・人事コンサルティングのKoyori キャリアワールドの代表を務めるキャリアコンサルタントの木村千恵子さんに「チャンスの掴み方・本当に良い会社の探し方」について執筆していただきました。

既卒だからこそできる事は必ずある

初めまして、キャリアコンサルタントの木村千恵子と申します。

今回は、現在「既卒生」の皆さんにこそ、理想のキャリアビジョンを描いてキャリアの一歩踏み出す、そんな考え方についてお伝えしたいと思います。

人生100年時代、今までにはない道を歩むチャンスの時代が来た

20代の皆さんが進むこれからのキャリアは、これまでの50年の間に歩んできた日本人のキャリアとは大きく異なり、より長い時間働くことが予想されています。皆さんが50代になるころには、もしかしたら「定年」などと言う言葉は死語になっているかもしれません。

そのような視点で考えれば、長いキャリアの最初の2,3年少し足踏みしたところで、全く問題はありません。あなたの捉え方次第で、今の時間を今後のキャリアにとって意味のある時間にすることは十分可能であるということを覚えておいてください。

とは言え、就職してから50年近くも働かなければならないと考えるだけで、働きたくなくなってくる、という人もいるかもしれませんね。そう考えてしまうのは、もしかしたら「仕事をする」ことは「苦しいこと」や「つらいこと」だとイメージしているからではないでしょうか?

長い目で見た就活を

人生100歳まで生きるかもしれない時代、「仕事」をどう自分の中で捉えるかがカギになってきます。

「50年仕事をしなくてはいけないなら、大きくて安定した会社に就職したい」と思うか、または「50年仕事できる時間があるなら、色々なことに挑戦しながら楽しくキャリアを進んでみよう!」と考えるかで、就活の仕方が全く変わってきます。

現状をどう捉えるかは自分次第!

日本の新卒一括採用システムは、世界中を見渡しても珍しい仕組みです。諸外国では大学卒業のタイミングも年に数回あるため、通年採用で欠員補充や新規ビジネス要因のための補充による採用が主流です。

今後、国を超えた人材移動が加速していくことを考えれば、日本の労働市場においても「新卒」、「既卒」の垣根がなくなる時代が、近い将来やってくるでしょう。現実に、新卒採用から通年採用に切り替える会社も増えてきています。今後は更に増えていくと予想されます。

こうしたグローバルな視点で考えてみても、新卒のタイミングで就職しなかったからと言って、皆さんが元々持っている潜在能力や自分に合った就職先を見つける可能性を悲観する必要は全くありません

むしろ、新卒の就活特有の「周りの人と同じように活動しなければ!」という強い同調圧力解放され、自分らしく落ち着いて就職活動ができるタイミングがめぐってきた、「今がチャンス!」だと、未来志向で自分の現状を捉えてみてください。

「理想のキャリアビジョン」のイメージは更新できる!

新卒の就活をしていた時、どのような理想のキャリアを描いて応募先を選んでいましたか?どのような業界や業種に興味を持っていましたか?自分がその応募企業でどんなキャリアステップを踏んで3年後、5年後にどのようなビジネスパーソンになっていることを想い描いていましたか?

実際はあまり具体的なイメージを持てずに、自分が応募できる企業に片っ端から応募していた、という状況だったかもしれませんね。

もしそうだったとしたら、その就活のスタイルを見直してみましょう。例えば、自分が興味のあるマスコミ業界を目指して就活するとします。でも、どうしてマスコミ業界を目指そうと考えたのでしょうか。

自分が特定の業界や業種または職種に、漠然とでも興味を持ったのだとしたら、そこには何か、あなたが大切にしたいものや理想としたい何かがあるかも知れません。その想いのルーツがどこにあるのかを探してみることをお勧めします。

きっとそこには、あなたが一生懸命になれる仕事、または喜びを感じることができる役割に巡り合えるチャンスが隠れていると思います

「理想のキャリアビジョン」を更新できたSさんの例

以前私がキャリアカウンセリングをさせていただいた中で、こんな例がありました。仮に、Sさんとします。

Sさんのシチュエーション

長年、教員試験に挑戦し続けていた。どうしても教員になりたくて、アルバイトで塾講師をしながら毎年教員試験を受け続けていた。しかし、なかなか受からず、ついに来年はもうあきらめて就職をしようかと悩んでいた。

Sさんは教員として小学校に就職することを理想のキャリアビジョンを強く持っていたため、一般企業に就職するという形で自分のキャリアをイメージ出来ずにいました。

そして、そもそもなぜ教師になりたいと思ったのか、そしてそれを実現しようとどのように努力してきたか、彼の想いと行動についてキャリアカウンセリングの中で詳しく話をお聞きしたのです。

すると、彼がやりたいことは「自分が教えたり関わったりすることで子供の笑顔を増やしたい」、ということだと分かってきました。

その結果、Sさんは、「自分が教えたり関わったりすることで子供の笑顔を増やすこと」は学校の教員としてでなくても、一般企業の様々な仕事を通じて実現可能であることに気づいたのです。

このように、Sさんはキャリアカウンセリングを通して現状を捉えなおし、自分が描いていた小学校の教師になるというキャリアビジョンから、「子供に関わる事業を展開している会社で子供の笑顔をたくさん生み出す事業を手掛ける」というキャリアビジョンに更新することができました。

Sさんは、キャリアカウンセリングの後、とてもスッキリした晴れやかな顔で、どんな会社を探せばよいかイメージしやすくなったとおっしゃって帰られました。

実は、私たちが描く自分の理想のキャリアビジョンは、Sさんの例のように変わることが珍しくありません。むしろ変わらず一つのキャリアビジョンを持ち続けられる方のほうが少数派かもしれません。

明確なキャリアビジョンを持つことはもちろん大切です。ですが同時に、キャリアビジョンは自分自身の成長や周囲の環境などの影響を受けて、変化していくものでもあります。そして、変わることは決して悪いことではないのです。

1つのキャリアビジョンに固執する必要はない

新卒で就活していた時のキャリアビジョンに固執する必要はありません。今現在のあなたが考える、「あなたの理想のキャリア」はどんなものでしょうか?

何を大切にし、これから先の長い職業人生の第一歩となる仕事として、どんな仕事にあなたの大切な時間と情熱を注ぎたいですか?

「既卒」という状況にいる貴方だからこそ、新卒での就活中には描き切れなかった、理想のキャリアビジョンを描き直すチャンスです。人生に、遅すぎることなどありません。

「就職」できる会社だからではなく、「応援」したい会社を見つけ出す

理想のキャリアビジョンを少しでもイメージできたら、次はそれを実現する方法と場所ですね。まずは、「既卒者対象」で募集をしている企業や、自分が強い興味を持っている企業について良く研究するステップから始めましょう。

応募したい企業について、出来る限り詳しく知る努力をすることが大切です。その会社の生い立ちや現在の社長が何代目でどんな人柄なのか、オーナー社長なのか雇われ社長なのか、事業内容を具体的にイメージできるか、業界での立場は、競合は?など、その企業のことを少しでも身近に感じることができる情報を集めてみてください。

技術革新も著しく、その変化のスピードも速い今の時代ですから、永久に安全な会社はないかもしれませんが、日本の企業の90%以上を占める中小企業には、知名度は低くてもオリジナリティあふれる戦略で長年成長を続けている企業が沢山あります。

自身にとって身近な企業を探す

新卒の就活で「大手の安定企業に絞りすぎた」または「就職できる確率が高そうな企業を選んで応募した」という方は、アプローチを変えて、自分にとって身近に感じられる中小企業を中心に検討することをお勧めします。

もし普段からその会社の商品を購入しているとか、その会社のサービスを気に入っていて、自分がその会社を応援したい思える会社がもしあるなら、敢えて明示的に「募集しています!」と就活生に向けて表示していない会社でも、直接アプローチしてみることも可能です。

そして、自分が興味を持っている業界や企業自分が心から「応援したい!」と思うような会社をできるだけ多く見つけてみてください。その中から、自分もそこで働いてみたいと本気で思える会社が出てきたら、理想のキャリアビジョンへの扉かも知れません。

「行動」し続けた人に女神は微笑む

人生に「失敗」は無い。これは私が心から信じていることです。

何かに一生懸命取り組んだのに、期待した結果が得られなかった。そのことに「失敗」というレッテルを張ってネガティブな思考に陥り行動をやめてしまうか、単なる「結果」として捉え、あきらめずに行動を起こし続けるか、それが分かれ道です。

「自分にとって最高の企業との出会いがこれから巡ってくる!」と自分の可能性を呼び覚ますような言葉を自分にかけ、前向きな行動を続けてください。勝利の女神は、自分の可能性を信じて努力し、行動し続ける人に微笑みますよ。